FM FESTIVAL 05/06「LOCK ON ROCK」   

rockongentlemen2005-11-07

7日心斎橋。早朝、東京から新幹線で移動。先月に続き(そして来月の控える中)三ヶ月連続での大阪公演。今年はとにかく大阪に来ている。3月、5月、8月、10月、11月、そして12月。それだけ実は今最も盛り上げたい街。いやいや勿論ツアー各地どこも等しく盛り上げたい、だから正確には今最も口説き落としたい街(この言い方のほうがしっくり来るかも)それが大阪。東京は野音まで登り詰めた。仙台はJUNKをソールドさせ一つ決着させた。いずれもホームのアドバンテージ多少はあれど、きちんとけじめをつけてモノにした。だからこそ次。次こそ大阪を口説き落としたい。

歴史を紐解いてみれば、椿屋四重奏が初めてワンマンを行ったのは東京でも仙台でもなく、実は大阪なのである(2004.5.19 at 十三Fandango)。それ以前、そしてそれ以降も大阪には数多く足を運び、その都度この大阪という街(女性)を何とかして口説き落とそうとそれはもう一途だった訳である。この二年間の椿屋四重奏と大阪を男女の関係に例えて言うならば「私たち付き合ってるよね?」と良いつつ、微妙な距離関係を保ち続けているようなもの。なんかこうウブというかアンニュイというか、正直いまいち煮え切らない(勿論どちらが悪いとかそういう事ではないですよ)。

そんなアンニュイな関係がやはり続いているような空気の中で今日のステージ。余計なリップサービスもなく、わかりやすさを全面に押し出す様なメニューでもなく、今自分達の状態をがっつりと見てもらう。淡々と熱いステージ。こういう時、我々スタッフが気をつけないといけないのは、客席のわっさわさ加減とステージの良し悪しは比例しないという事。たくさんの拳が上がっていなくたって圧倒的に良いライブもあれば、どんなに客席が盛り上がっていても内容的にはお粗末なステージも多々。これらはほんと直接的には関係ない。そして今日。手前味噌ながら良いライブだと思った。この一ヶ月が彼らをたくましくした。

本番終了直後、イベンターやら各媒体の方々やら一斉に楽屋へ。「今日は凄かったですね!」よし来た!さらにメンバー全員でビデオを確認する。今このバンドがどんな位置に立ち、何を持ってロックを鳴らし、それらをどうやって伝えていくか。椿屋四重奏椿屋四重奏である事の証明。それぞれが確かな手応えを感じる。それこそこの日最大の収穫。ただ、心に残る部分もちょっぴり。上にも述べた通り、客席の状態とステージの良し悪しは関係ない。実際、今日も一曲一曲終わる毎に拍手の数もどんどん大きくなっていった。ただ、「もうちょっと盛り上がりたかった」と思って会場を後にした方も少なからずいたんじゃないかという事。正直そこが心に残ります(もちろん楽しみ方は自由ですよ)。

今年8月のイベント、アンコールの際に中田裕二はこう言った。「すっと片思いかと思ってました」好きという気持ちはいまや十分に伝わった。だからこそモノにしたい。イベントとかワンマンとかを超えてそろそろこの関係を解き放ちたい。本日、全体的に紅で統一されたステージの中でも最も深紅だった「螺旋階段」の彼らのステージからもそんな気持ちが満ちあふれていた。「俺たち付き合ってるよね?」そんな事、言葉にせずともわかりあえる関係を目指して。来月のワンマンも全力で臨みます。